もともとラグジュアリーブランドやブライダル業界への就職を考えていました。就活の過程で、ロレックスを始めとしたハイブランドの時計やジュエリーを販売している会社が新卒採用をしていると知り、入社試験を受けたいと思うようになりました。
就職活動のときはコロナ禍で、企業の多くがオンラインでの面接を実施する中、ホッタの「オンラインでの面接はしない」という姿勢にも、とても惹かれました。
私にとっての大切な軸は「人」だという思いをずっと抱いていて、どんなにＡＩが進化しても、「人が持つ暖かい心で仕事がしたい」と考えていましたので、対面での面接にこだわるホッタのポリシーや、ホームページに掲載されていた社長の「人を大切にしたい」「人を幸せにするのは人」という思いを知り、知れば知るほど「入社したい」という気持ちが強くなりました。
最終面接では、面接官のみなさんがとてもフランクに話しかけてくださり、私の地元やアルバイトの話など、何気ない日常の会話をさせていただきました。じつはあまりに緊張しすぎて、自分の良いところを見せることができなかったな、と落ち込んで帰ったのですが、後から思うと、他愛もない話をすることで、私の内面や素の姿を見てくださったのだなと感じました。
「人を大切にする」ということの本質を、新卒の面接でも実践している会社だと思います。
内定の連絡をいただいたときには、本当に嬉しかったです。

２０２２年に新卒で入社し、レキシア銀座並木通り店に配属されて今に至っています。入社半年は、現場のパーソナルコーチの指導を受けながら、先輩方の販売している姿を見て学ばせていただいていました。一つ一つの商品が高額なため、しっかりと商品について勉強する必要があり、それを習得するのも大変でした。時にはバックヤードで先輩が黒板を使って教えてくださったり、店舗が一丸となって新人を育ててくれるという社風に励まされて、成長できたのかなと思います。３年目に、自分がパーソナルコーチを任せていただくことになりましたが、先輩の教えを思い出しながら、目の前の新人社員の個性によって、伝え方や教えるペースを考えなければいけないということも学びました。
私が指導した新人社員が昨年１０月に独り立ちをしました。その成長を喜ぶとともに、今度は自分自身の成長に向けて、意識をシフトしていく時期だと思っています。四年目の社員として、より成長していくために何をしなければいけないのかを考え、自分を磨き続けていくための新たな課題を感じています。
私には、自分がこうなれたらいいなと憧れている上司がいます。笑顔が素敵で思いやりがあって、けっして相手を不快な気持ちにさせないのですが、ときに厳しいこともしっかりと伝えてくれる、そんな上司です。まだまだ遠く及びませんが、その上司に少しでも近づけるように、自分ができるところから真似していきたいと思っています。
こうした環境が本当に有り難いと思いながら、楽しんで仕事をする毎日です。

私が身につけているロレックスは、祖父から受け継いだものです。もともとは、祖父から父へと引き継がれていたのですが、私がホッタに就職することになり、父が「ロレックスを扱う仕事だから」と私にプレゼントしてくれました。
そしてもう一つ、私が引き継ぐことになった大切な理由があります。私は四人きょうだいの末娘で、兄姉たちと比べて、祖父との思い出を共有する時間が短かったのです。せめて、祖父のロレックスを身につけることで、祖父との思い出のお裾分けをしようと、私に引き継ぐことを決めてくれました。
小さかった私には、祖父とともに過ごした記憶はおぼろげなのですが、このロレックスを見るたびに、祖父がそばにいてくれるようで、暖かい気持ちになります。こうした決断をしてくれた父や兄姉たちの心遣いもとても嬉しくて、引き継がれるものがあることの喜びをかみしめています。

レキシアのお客様は、一度来店して終わり、というのではなく、何度もご来店される方がとても多いのですが、そのようなお客様からお手紙をいただいたことがありました。そのお手紙の内容がとても嬉しかったのを覚えています。
お客様はもともと人と会話をすることが得意ではなく、普段、人とコミュニケーションを取ることに苦手意識を持っていたそうです。そのお手紙には、「あなたのおかげで人と話すことが苦手ではなくなりました」と書かれていて、接客という仕事は、モノを売るだけではなく、お客様に幸せな気持ちになっていただくお手伝いができる仕事なのだと、心の底から感じることができました。
ロレックスは一度買って終わりではありません。メンテナンスやオーバーホールのたびに足を運んでくださり、会話を重ねてお客様との信頼関係を築いていける仕事です。改めてこの仕事の喜びを感じた出来事でした。お客様は「あなたのおかげで」とおっしゃってくださいましたが、私の方も感動と、仕事への誇りという素敵なものをいただきました。